金融機関、女性覆面座談会:制度では幸せになれないんだ議論。

ニッポンでは、「仕事と家庭の両立支援」という企業PRが、そこかしこで繰り広げられているナノ。両立支援制度の充実が女性の幸せになっているのか、ほんとのところを聞いてみるナノ!
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ニッポンでは、ちょっと前まで、女性は、結婚したら会社を辞める、それがフツーだったと聞いたけど、本当ナノナノ?

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某大手金融機関 部長 Y.T(52歳)

私が会社に入ったのは1986年。同期の男性総合職が100人以上いた中で、女性総合職はたった6人でした。子どもを授かったのは、入社6年目の1992年。当時、結婚して、子どもができても会社を辞めない女性は、私だけ。身の回りにロールモデルはいませんでした。

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某大手金融機関 支店長 K.K(45歳)

私が出産したのは35歳のときだから、ちょうど今から10年前でしたが、その頃でも、結婚・出産を機に会社を辞めていく仲間のほうが多かった印象です。

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某大手金融機関 課長 S.M(33歳)

今とは随分違いますね。私は5年前に結婚、3年前に出産しましたが、同僚の中に結婚して辞める女性はほとんどいません。出産を機に会社を辞めていく仲間は5割くらいの印象です。

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今は、結婚や出産を経ても女性が会社を辞めないように、産休や育休制度が随分と整ってきたみたいナノね。
皆さんの会社も育休が法定よりも長いナノ。それが、女性の安心や幸せにつながっているナノ?

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某大手金融機関 部長 Y.T(52歳)

私の頃は制度もないし、前例すらなかったから、制度の充実が自分の判断や気持ちにどのくらい影響するか、正直、ピンときません。
当時、私が欲しかったのは制度よりも情報。ワーキングマザー関連の本も1冊もなかったから。医師やエンジニア、研究職など、異なる世界で活躍するママ友を見つけられたことが救いでした。

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某大手金融機関 支店長 K.K(45歳)

私の頃には、育休1年などの制度が確立されていましたが、一人目のときは、産休・育休をあわせて半年。二人目のときは、育休を使わず、産後すぐに復職しました。

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やっぱり、制度があっても、使っちゃうとダメナノナノ?

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某大手金融機関 支店長 K.K(45歳)

実は、一人目を出産し復職した時、手伝いのような仕事しか与えられず…。そこから再び主担当として仕事を任されるまでに、時間もパワーもいりました。
それに加え、育児は一年、二年で終わるものではないからこそ、その先の長い時間に焦点を当て、いち早く生活のリズムをつくることが、子どもにとっても、自分にとっても負担が少なくてむしろハッピーだと一人目のときに実感したんです。

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某大手金融機関 課長 S.M(33歳)

私は1年弱の育休いただき、復職後は「時短制度」を利用して30分早く退社させてもらっていました。
でもそのせいで、全体会議や勉強会に出席できず、自分の成長速度が大幅に鈍化したことを実感したんです。それで思い切って時短を解除すると、相談しやすいし、冷静になれる時間もできました。たかが30分とはいえ、されど30分。退社前30分が、自分にとって、どれだけ大切かに気づかされました。

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制度よりも、幸せにつながるのは、どんなことナノナノ?

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某大手金融機関 部長 Y.T(52歳)

「上司の期待」が大きいかな。
私の上司は、復職した私に重要なプロジェクトを任せてくれました。きっと反対意見もあったでしょうし、内心ハラハラだったと思います。しかし、任せてくださった。その想いに応えないわけにはいきませんよね。がむしゃらに取り組み、プロジェクトを完遂できたとき、「やれる」「やっていける」という手応えを得たのが嬉しかったな。

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某大手金融機関 支店長 K.K(45歳)

私の場合は、「夫の理解」です。
私にとって働くことは生きることと同義。いろんな自分を楽しみたいし、成長したい。その想いを会社だけでなく、夫にも伝え、理解してくれたから、今があると思います。

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某大手金融機関 課長 S.M(33歳)

私は、「職場の仲間」ですね。
産休前も、育休中も「早く戻ってきて」「待っているからね」といった言葉を仲間からたくさんもらい、自分が必要とされていると感じられたことが、一番幸せでした。そのおかげで、一日も早く復帰したいという気持ちが高まったし、今も仲間の存在が私の原動力です。

調査結果|制度の充実と、働く女性が幸せになるのは、必ずしもつながらないのだと思ったナノ。「育休は何年?」「利用者は何人?」なんて質問して満足する答えが得られたとしても、自分の幸せにつながらないかもナノ―!